前回に引き続き、チャドクガ退治:予防編です。
チャドクガは、発生してからの対処に危険と手間がかかります。
手間はともかく危険を減らすために、発生を予防してしまう方がよいです。
●予防方法
・薬品を使う方法
予防法として「浸透移行性」を持つ殺虫剤の全体散布があります。この殺虫剤は、主にイラガ・チャドクガ等の毛虫に直接噴霧することでも効果を発揮しますが、噴霧後に植物内に浸透し、後からその葉を食べた毛虫に対しても、駆除・殺虫効果を発揮します。これを葉の表、裏にまんべんなく噴霧します。
これについては、たとえば「オルトラン液剤」などの商品名で薄めて使用する薬品が市販されています。使う際は、これを分量通りに希釈して、噴霧器で木全体に散布します。
また、この手の薬品を薄めたものを、スプレーボトルに入れた製品(製品名としては「ベニカDスプレー」など)が販売されています。こちらの方が高価(といっても1本1000円程度)ですが、噴霧器が無い場合など、手軽で使いやすいと思います。
同じメーカーの他製品については、下記のものがあります。チャドクガに効果のある薬品のページです。製品は、多くのホームセンターの園芸コーナーで見かけました。
住友科学園芸Webサイト:チャドクガに効果のある薬品
※毛虫の写真がありますので、嫌いな方は要注意。
ちなみに私が使用したものは後者の「ベニカDスプレー」です。ノズルを回すと、二段階の飛距離を選べるようになっているタイプで、わりと樹高があってもよく届きます。量も十分で、実際の感じでは、約1リットル入りのもので、人の背丈ほどの椿を、2本処理できました。
しかし、かなり臭いもあり、あまり体にいいものではないので、噴霧の際はゴム手袋にマスク、できればゴーグル・メガネ等を着用し、風のない日を選ぶように言われました。まぁ実際は、逆風でもろにかぶってしまったのですが、後で洗い流しておいたら、別に何ともありませんでした。
また薬効をさらに高めたい場合は、即効性の殺虫剤を樹木全体に噴霧した後、浸透性の薬品をかけ、ビニール袋をすっぽりとかぶせてしばらく置く、という「燻蒸(くんじょう)」処理をします。万全を期す場合は、このプロセスを複数回繰り返すようですが、個人では手間がかかりすぎるのが実状です。
我が家では、「ベニカDスプレー」をまんべんなく散布しただけですが、その後チャドクガの発生は見られません。葉を食べられた形跡も増えませんでした。
・剪定をする方法
剪定をして、風通しをよくします。隙間を増やすことで、チャドクガの天敵となる虫や鳥などを呼び込みやすくします。産卵の機会を減らすことにもつながりそうです。
薬剤散布だけでも効果はありますが、あわせて剪定も行ってしまえば見栄えもよく、一石二鳥といったところでしょうか。
●発生時期
チャドクガの孵化時期は年に2回、4~5月と8~9月です。成虫の発生は7月と10月あたりで、卵で越冬するとのこと。繁殖期が来る前に、対象の木に予防措置をすると効果的だそうです。燻蒸までいかなくても、浸透性の薬品を一回噴霧するだけで効果があるようです。
●樹木への影響
薬品をかけた木ですが、我が家の例では上記で処理した木はその後も成長を続け、普段通り若葉をたくさん出していました。このことから、少なくとも1回、全体に散布する程度ではこれといって影響はなさそうです。
剪定についても、あまり刈り込みすぎなければ影響は少ないと思いますが、試していないので、よく知っている人に聞いてみる方がいいと思います。
●おわりに
神社などでは、立派な椿や山茶花がよく植えられています。今回の一件以来、そういう場所で椿を見かけると、無意識にチェックしてしまいます。
たいていのところでは、きちんと処理がしてあるようで、喰い後もない木がほとんどです。しかし、中にはメッシュ状に喰われた葉や、チャドクガの毛虫そのものが葉に群がっているのを見かけます。もし、椿の木に近づかれるようなことがありましたら、十分お気をつけください。
ブログでこんなエントリをするとは思いませんでした。私もネットなどで情報を集めたので、恩返しってほどのものでもありませんが。少しでも誰かの役に立てればと思い、書いてみました。
逆風で薬をかぶったり、葉にかけた薬がぼたぼたと頭に垂れてきたりと、いろいろ笑いのネタはあるんですが、まぁそれはそのうち…。
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